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トラックドライバーは負け組?将来性と勝ち組になる方法を解説

トラックドライバーは負け組?将来性と勝ち組になる方法を解説

「トラックドライバーは負け組かもしれない…」そんな不安を抱えていませんか。

世間では運送業はクズだとか、運送会社は頭がおかしいといった厳しい評判が飛び交い、給料ランキングを見ても決して高いとは言えない現実に、将来を悲観してしまうかもしれません。

また、運送業界の今後を考えると、仕事がない状態になったり、運送業の将来がなくなるといった噂や、トラック運転手の10年後はAIに取って代わられるという話を聞き、ますます気持ちが沈むこともあるでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか。実は、運送業の給料が上がる可能性や、社会に不可欠な存在として「勝ち組」になる道も存在します。

この記事では、入ってはいけない運送会社一覧に共通する特徴から、業界のリアルな実態、そして未来の展望までを深く掘り下げ、あなたの疑問や不安を解消します。

この記事でわかること

  • 「トラックドライバーは負け組」と言われる理由と背景
  • 運送業界の年収、将来性、そして今後の見通し
  • 避けるべき運送会社の特徴と優良企業の見極め方
  • トラックドライバーとして勝ち組になるための具体的な方法
目次

「トラックドライバーは負け組」と言われる情報の真偽

「トラックドライバーは負け組」と言われる情報の真偽
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)
  • 「運送業はクズ」という世間の厳しい偏見
  • 「運送会社は頭がおかしい」と言われる理由
  • 避けるべき「入ってはいけない運送会社一覧」
  • 気になる「運送業の給料ランキング」の現状
  • 「運送業に仕事はない」という噂は本当か?
  • 需要から見る「運送業界の今後」とは

「運送業はクズ」という世間の厳しい偏見

トラックドライバーに対して、「運送業はクズ」といった厳しい偏見が聞かれることがあります。これは、一部のドライバーによる交通マナーの悪い運転や、過去のメディア報道によるネガティブなイメージが社会に定着してしまったことが一因と考えられます。

しかし、これは業界全体を表すものでは決してありません。大多数のドライバーは、日本の物流という社会インフラを支えるため、日々責任感を持ってハンドルを握っています。インターネット通販で購入した商品が翌日に届くのも、スーパーマーケットに毎日新鮮な食材が並ぶのも、この仕事があってこそ成り立つのです。

このように、運送業は社会に不可欠な役割を担っており、一部の事例だけで「クズ」と断じるのは、あまりにも短絡的な見方だと言えます。職業に貴賎はなく、その社会的貢献度を正しく理解することが大切です。

「運送会社は頭がおかしい」と言われる理由

「運送会社は頭がおかしい」という言葉が使われる背景には、残念ながら一部に存在する「ブラック企業」の問題があります。これらの企業では、ドライバーの心身の健康を度外視した過酷な労働環境が常態化しているケースが見られます。

過酷な労働環境の実態

具体的には、違法な長時間労働や休日出勤の強制、正当な理由なき減給、十分な休憩時間を与えない無理な運行スケジュールなどが挙げられます。また、車両の整備が不十分であったり、事故を起こした際の責任を全てドライバーに押し付けたりするなど、安全管理意識の欠如も深刻な問題です。

なぜブラック企業が存在するのか

このような企業が存在する背景には、運送業界特有の多重下請け構造があります。元請けから二次、三次と仕事が下りていく過程で中間マージンが抜かれ、末端の運送会社に入る運賃は非常に低くなります。その結果、利益を確保するためにドライバーにしわ寄せがいくという構図が生まれるのです。そのため、会社選びを誤ると、「頭がおかしい」と感じるほどの労働環境に陥るリスクがあるのは事実です。

避けるべき「入ってはいけない運送会社一覧」

避けるべき「入ってはいけない運送会社一覧」
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)

特定の社名を挙げることはできませんが、「入ってはいけない運送会社」には共通する特徴がいくつかあります。転職や就職活動の際に、これらの特徴に当てはまる企業は慎重に見極める必要があります。

求人情報や面接で見抜くポイント

優良企業とブラック企業を見分けるポイントは、求人情報や面接の段階で表れることが多いです。

チェック項目良い会社の傾向入ってはいけない会社(ブラック企業)の傾向
給与体系の表記基本給、各種手当、残業代の計算方法などが明確に記載されている「月収〇〇万円以上可」「歩合給」など曖昧な表現が多く、固定残業代の詳細が不明
労働時間・休日「週休2日制」「年間休日〇〇日」など具体的な休日制度が明記されている「休日応相談」「シフト制」など、休みが不規則で実態が分かりにくい
面接での対応労働条件や仕事内容について丁寧に説明し、質問にも誠実に回答する都合の悪い質問をはぐらかしたり、即決を迫ったりするなど、誠実さに欠ける
会社の雰囲気整理整頓された事務所、挨拶が交わされる活気のある職場事務所が乱雑、社員の表情が暗い、怒号が聞こえるなど、雰囲気が悪い
車両の状態トラックがきれいに整備・清掃されており、安全への投資が見られる凹みや傷が多い、タイヤが摩耗しているなど、車両管理がずさん

これらのポイントを冷静にチェックすることで、入社後のミスマッチや後悔を未然に防ぐことが可能になります。

気になる「運送業の給料ランキング」の現状

トラックドライバーの給料は、運転するトラックの種類や経験、勤務する会社の規模によって大きく異なります。世間一般の「給料が低い」というイメージが本当なのか、客観的なデータで見ていきましょう。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、トラック運転手(道路貨物運送業)の平均年収は、きまって支給する現金給与額と年間賞与その他特別給与額から算出すると、約485万円となります。これは、日本の全産業の平均給与所得者(約458万円)と比較すると、決して極端に低いわけではありません。

しかし、トラックの種類によって年収には大きな差が生まれます。

トラックの種類平均年収(推定)特徴
大型トラック約500万円~750万円長距離輸送が多く、体力的な負担は大きいが収入は高い。人手不足が深刻で需要が高い。
中型トラック約400万円~550万円近距離から中距離が主で、大型と小型の中間的な収入。求人数も比較的多い。
小型トラック約350万円~450万円ルート配送や宅配などが主で、未経験者でも始めやすいが、収入は低めになる傾向がある。

このように、大型トラックのドライバーになれば、他業種の同年代よりも高い収入を得ることは十分に可能です。「トラックドライバー=低収入」というイメージは、主に小型トラックドライバーの給与水準によって形成されている側面があると考えられます。

「運送業に仕事はない」という噂は本当か?

「運送業に仕事はない」という噂は本当か?
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)

「将来、運送業は仕事がなくなるのでは?」という不安の声を耳にすることがありますが、現状はその全く逆です。運送業界は深刻な人手不足に陥っており、仕事は豊富にある「超売り手市場」の状態が続いています。

その根拠となるのが有効求人倍率です。厚生労働省のデータによると、トラック運転手を含む「自動車運転の職業」の有効求人倍率は、常に全職業平均を大きく上回る水準で推移しています。これは、求職者1人に対して2件以上の求人があることを示しており、仕事を選べる立場にあるということです。

この人手不足の背景には、EC市場(インターネット通販)の急速な拡大があります。私たちの生活が便利になる一方で、配送を担うドライバーの需要は増え続けており、供給が全く追いついていないのが実情です。したがって、「運送業に仕事がない」という噂は、現状とはかけ離れた誤解であると断言できます。

需要から見る「運送業界の今後」とは

運送業界の今後を考える上で、避けて通れないのが「2024年問題」です。2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限が設けられ、施行から1年以上が経過した現在、運送業界の現場では様々な影響が「生の声」として聞かれるようになりました。

ドライバーの収入と働き方の変化

ドライバーの現場からは、ポジティブな声とネガティブな声の両方が上がっています。

一部のドライバーからは、「残業が減って家族と過ごす時間が増えた」「体力的にも楽になった」といった、働き方の改善を喜ぶ声が聞かれます。運賃の価格転嫁に成功した優良企業では、給与水準を維持・向上させながら、労働環境の改善を実現しています。

一方で、「残業代が稼げなくなり、手取り収入が10万円近く減った」「収入を維持するために転職を考えている」といった切実な声も少なくありません。特に、価格転嫁が思うように進んでいない中小企業では、ドライバーの収入減が深刻な問題となっており、これが離職の一因にもなっています。

運送会社と荷主が直面する課題

運送会社側も、厳しい現実に直面しています。帝国データバンクの調査によると、2024年度の「運輸・郵便業」の倒産件数は過去最多を記録し、その多くが「2024年問題」によるコスト増に対応できなかった中小企業です。経営者からは「運賃交渉に応じてもらえない」「燃料費や人件費の高騰で利益がほとんど出ない」といった悲鳴が上がっています。

また、荷主企業も物流コストの上昇という形で直接的な影響を受けており、これが製品価格やサービス料金に転嫁され、最終的には消費者である私たちにも影響を及ぼし始めています。

このように、「2024年問題」は、当初の懸念通り物流業界全体に大きな影響を与えています。しかし、これは裏を返せば、適正な運賃を支払ってくれる荷主を選び、ドライバーの待遇を改善できる体力のある企業しか生き残れない時代になったとも言えます。社会インフラとしての物流の価値が見直され、ドライバーの労働環境が正当に評価されるための、大きな過渡期にあるのです。

「トラックドライバーは負け組」ではないキャリア戦略

「トラックドライバーは負け組」ではないキャリア戦略
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)
  • 目指せる運送業で勝ち組の働き方とは
  • 今後「運送業の給料が上がる」可能性
  • AI時代で「運送業は将来なくなる」のか
  • 知っておきたい「トラック運転手の10年後」
  • 「トラックドライバーは負け組」ではない理由まとめ

目指せる運送業で勝ち組の働き方とは

運送業界で「勝ち組」になる道は、決して一つではありません。高収入を得る、安定した環境で長く働く、自由な働き方を実現するなど、目指す方向性によって様々なキャリアパスが考えられます。

高収入・安定を目指すキャリア

一つの方法は、前述の通り、大型免許やけん引免許を取得し、長距離ドライバーやトレーラードライバーとして高収入を目指すことです。特に、タンクローリーでの危険物輸送や、精密機器の輸送など、専門的なスキルや資格が求められる分野は、さらに高い報酬が期待できます。また、ヤマト運輸や佐川急便といった大手企業に就職すれば、安定した経営基盤のもと、充実した福利厚生やキャリアアップ制度の恩恵を受けながら働くことが可能です。

自由な働き方を目指すキャリア

もし、組織に縛られずに自分のペースで働きたいのであれば、個人事業主として独立・起業する道もあります。軽貨物運送から始め、経験と資金を蓄えて大型トラックを導入し、法人化するドライバーも少なくありません。経営者になれば、仕事の単価交渉も自分で行えるため、努力次第で収入を青天井に伸ばせる可能性があります。

このように、戦略的にキャリアを考え、行動することで、運送業は十分に「勝ち組」となれるポテンシャルを秘めた業界なのです。

今後「運送業の給料が上がる」可能性

「運送業の給料は安い」というイメージは、今後変わっていく可能性が高いと考えられます。その最大の理由は、繰り返しになりますが「2024年問題」と、それに伴う深刻な人手不足です。

労働時間に上限が設けられたことで、一人のドライバーが運べる荷物の量が減少しました。この状況で従来の物流網を維持するためには、荷主企業はより高い運賃を支払ってでも輸送力を確保する必要に迫られています。実際に、国土交通省の調査でも、運賃の値上げに踏み切る運送事業者が増えていることが報告されており、この傾向は今後も続くと見られています。

また、人手不足がこれだけ深刻化すると、企業は人材を確保するために待遇を改善せざるを得ません。給与水準を上げたり、手当を充実させたり、休日を増やしたりしなければ、新しいドライバーは集まらず、既存のドライバーも他社へ流出してしまいます。

これらの理由から、運送業界全体の給与水準は、今後上昇トレンドに向かうと予測されます。今はまだ過渡期かもしれませんが、ドライバーの労働価値が正当に評価される時代は、すぐそこまで来ています。

AI時代で「運送業は将来なくなる」のか

AI時代で「運送業は将来なくなる」のか
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)

AIや自動運転技術の進化により、「将来、ドライバーの仕事はなくなるのではないか」という議論が活発に行われています。確かに、高速道路での隊列走行や、特定のルートを無人で走行するトラックの実証実験は国内外で進んでおり、技術の進歩は目覚ましいものがあります。

しかし、これらの技術が普及し、人間のドライバーが完全に不要になるまでには、まだ相当な時間と多くの課題が残されています。

自動運転が直面する課題

まず、技術的な課題です。悪天候時や予期せぬ障害物への対応、交通量の多い一般道での複雑な判断など、人間のドライバーが瞬時に行っている高度な状況判断をAIが完璧に代替するには至っていません。

次に、法整備の問題です。事故が起きた際の責任の所在をどうするのか、自動運転車が守るべき交通ルールなど、法的な枠組みを整える必要があります。さらに、一台数千万円とも言われる自動運転トラックの導入コストも、普及を阻む大きな壁となります。

人間でなければできない業務

もっとも重要な点は、トラックドライバーの仕事は単に運転するだけではないということです。荷物の積み下ろしや検品、顧客とのコミュニケーション、配送先でのトラブル対応など、機械には代替できない人間ならではの業務が数多く存在します。

したがって、技術が進化してもドライバーの仕事が完全になくなる可能性は低く、むしろAIと協調し、運行管理や緊急時対応などを担う、より高度な役割へと変化していくと考えられます。

知っておきたい「トラック運転手の10年後」

では、具体的に10年後のトラック運転手は、どのような役割を担っているのでしょうか。専門家の間では、ドライバーの仕事は「なくならない」が「変化する」という見方が主流です。

10年後には、高速道路など特定の区間はトラックが自動で走行し、ドライバーはその間の運行状況を監視する「フリートマネージャー」や「オンボード・オペレーター」のような役割を担うようになるかもしれません。そして、高速道路を降りた後の一般道での運転や、最終的な荷物の引き渡しは、引き続き人間が行うといった分業が進む可能性があります。

このような未来に適応するためには、ドライバー自身も新たなスキルを身につけていく必要があります。例えば、運行管理システムを使いこなすITスキルや、トラブル発生時に的確な判断を下す管理能力、さらには国際物流に関する知識などが、自らの市場価値を高める武器となるでしょう。

変化を恐れるのではなく、新しい技術や知識を積極的に学び、自らをアップデートし続ける姿勢を持つドライバーが、10年後も業界の第一線で活躍しているはずです。

「トラックドライバーは負け組」ではない理由まとめ

「トラックドライバーは負け組」ではない理由まとめ
イメージ(© fujiki-bin.com ふじき便)

この記事で解説した内容をまとめます。

  • トラックドライバーは日本の物流を支える社会に不可欠な存在
  • 一部のマナーの悪いドライバーの印象で全体が判断されがち
  • 「運送会社は頭がおかしい」と言われる背景には一部のブラック企業の存在がある
  • 求人情報や面接で優良企業とブラック企業を見極めることが可能
  • トラックの年収は種類によって大きく異なり大型なら高収入も狙える
  • 運送業界は深刻な人手不足で仕事がなくなる心配は低い
  • 2024年問題によりドライバーの労働環境改善が期待される
  • 適正な運賃への価格転嫁が進めば給与水準が上がる可能性がある
  • 運送業は戦略次第で「勝ち組」になれるポテンシャルを持つ
  • 大型免許や専門資格の取得は収入アップに直結する
  • 自動運転技術には課題が多くドライバーの仕事がすぐになくなることはない
  • 荷物の積み下ろしや顧客対応など人間ならではの業務は残る
  • 10年後にはドライバーの役割が運転手から管理者へと変化する可能性がある
  • 変化に対応し新しいスキルを学ぶ姿勢が将来の価値を決める
  • 「トラックドライバーは負け組」というイメージは多くの誤解に基づいている
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ブログ管理人

こんにちは、ふじきです。
「現場ドライバーが語る、物流のいま。」というテーマでざっくばらんに記事にしていきます。

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